「刹那〜、おい刹那」


名前を呼ぶな 近づくな 顔をのぞき込むな


「聞いてる?」


「・・・・聞こえている」












もう何十回と同じように名前を呼ばれ、元々あまり人との接触はしないたちの俺は
部屋に籠もって出てきたくないくらいの気持なんだがミーティング中なのだからそうもいかない。
渋々返事をすると何故かヤツは嬉しそうに  うんうん と頷いたりして。
・・・なんなんだ一体。
毎回毎回いちいち俺に反応を求める。別に返事をしなくても聞くべき事は聞いているし
気になることがあれば自分から発言するにも関わらずだ。
CBに入ってから色々とロックオンには世話になったが…というか、ここにいる全員がロックオンに世話になっているのか。
改めて24と言う年齢を実感させられる。

ミューティングの内容は特に重要なものではなく、次の介入行動までの潜伏場所の確認と
その了承を促すものだった。ここ数回地球に降りているが、何故かその大半はまさに今嬉しそうな顔をした男
ロックオンと行動を共にすることが多い。
接近戦タイプのエクシアと遠距離タイプのデュナメスの相性を配慮したものだろう。
別行動なら気にならないがたまに行動上同じ場所に留まる事があった時など、飯はまだかちゃんと寝ろと口うるさい…とまではいかないまでも
会話の節々に確認の言葉を入れてくるのだ。
そして今回も例に漏れず…

「エクシアとデュナメスは今回も同じ場所からの出撃ってことで、また一緒だな」

「・・・・」

誰と一緒になろうと俺は自分の任務をこなすだけだ。
だから何とも思わない。
だが・・・


「ロックオンに迷惑をかけないようにね」

「何いってんだよアレルヤ。刹那はしっかりしてるから大丈夫だって」

「いや、でも一応ね?」


落ち着いた物腰で気遣いともとれる言葉を吐くアレルヤにロックオンが兄顔で言葉を返す。
その兄顔を嫌がっている俺としては何とも言えない気持になる。
そして何故か話すだけなのにロックオンの肩に手を置くアレルヤ。
その手の意味はあるのか?というか、俺に対する言葉なら俺の肩をたたけ。


「ガンダムマイスターだからな、私生活もしっかりするだろう。だから行動を共にしなくて良いぞロックオン」

「ティエリアまで…、お前ら毎回キツイよな・・・。刹那と仲悪いのか?」

「「別に?」」


しれっとした態度で、アレルヤに至っては笑顔でハモる。
でもその瞳に隠された"牽制"の色は消えない。
しかもティエリアは空気を払うようにロックオンの肩に置かれた手を払い落としている。
そのやりとりをロックオン自体は特に気にした様子もなく(鈍感なのか!?)
どちらかというと、年の離れた弟達のじゃれあいとでも取っていそうな朗らかな顔だ。




「まぁ、4人しかいないガンダムマイスターなんだから、仲良くやろうぜ?な?」




それぞれの顔を見回しながら、最後に俺の頭へポンと手を置いてかき混ぜるロックオン。
その両肩後ろから凍え死ぬような温度を持った視線が俺を突き刺す。
ティエリアは頭なんで撫でようものならブリザード級の言葉を投げかけてくるし
アレルヤはついに自分よりも身長が伸びてしまったため頭を撫でるどころではなく・・・
ちょうど良い年齢の丁度良い身長の俺にロックオンはいつも嬉しげにやるが・・・。
その事によってもたらされる俺への被害を想像してくれ。いや、察しろ。















「あ、刹那何処いくんだお前っ」














・・・頼む。
ついてくるな 名前呼ぶな 俺に笑うな 触るな 




負ける気はしないが、俺は あの二人の面倒事に巻き込まれるのは 嫌だからな!



















アレルヤ・ティエリア→ロックオン→刹那 だと良いなとか思ったり。
うちの基本スタイルはこんな感じなんだろうか…
まだまだ模索中。