何か、言わなければと思った。

この腕に、この両腕に掻き抱いた貴方はどんどん冷えていって

白かった肌がさらに青白くなっていくのに

僕は床に横たわった貴方の身体を抱き起こすことしかできなくて

この両腕は笑えるくらいに震えていて

きっと僕は、このまま床に座り込んだまま立てないよ


「すぐに救援が来ますから、大丈夫です 大丈夫 大丈夫…」


あぁ、どうして貴方の唇から赤い雫がながれているんですか

どうしてあなたの胸はこんなにも赤いのですか

どうしてあなたは






ねぇ、あなたは






ゆっくりと、あなたの手を握った

馬鹿みたいに震える手で、離してしまわないように

ぎゅっと

きつく

どこまでも離れないように







もしあなたが このまま かたまってしまっても

このてだけは ずっと はなれないように













「大丈夫 大丈夫ですよ すぐだから、ねぇ…」





だからちゃんと こっちを見て





「僕を みてください… ロックオン…っ」










縋るように名を呼ぶ


それに呼応するかのように

ヒューヒュー と音を立てながら 彼が口を




ひっゆりと 開いて


そして












ほら、天が落ちてくる