最終回を見たノリで一気に書いたので、文章とかぐちゃぐちゃですが…
それでもよければどうぞ。
GNドライブを射出して、やっと彼の所へいけると目を閉じた。 ゆっくりと身体から力が失われていく、脱力によってもたらされるのは、死への恐怖なのかもしれないが どうしたことか、目の前に降りてくる闇を恐ろしいとは思わなかった。 自分の存在意味の為に、ずっとかけずり回っていたように感じる。 でももう、そんなことを気にしなくても良くなるのだ。 身体が自分の制御を拒んでいく、最後の一息を吐き出して私は… 4色の、楽園 ゆっくりと目を開くと、自分は真っ白な天井を見上げていた。 まさか天国などがあるはずもないと思うが、あの状態で助かるという可能性は限りなく低い。 じゃあ一体これは何だと自分へ投げかけるが、経験したことなければ、こんなことに対する知識もないので答えは出ない。 身体はどうやら手当てしてあるらしく、肋骨を骨折したあたりにはコルセットが巻かれていた。腕は、動く。 ベットの上で肘をつき身体を起こすと、ようやくその部屋にいるのが自分だけではないことがわかった。 長方形の部屋に、ベッドが4つ。一階らしく、開け放たれた大きな窓からは光りが溢れ、白いカーテンを風が揺らしている。自分はちょうど、その庭を見渡せるベットに寝かされているらしい。 しばらく、開け放たれた窓から見える緑を、意味もなく眺めていた。 ここは…、一体どこなんだ。 一番の問題点を確かめるために、ゆっくりとベットから降りる。簡易な病人服のすそから覗いたのは素足で、床に足をつくと少しひんやりとした感触が伝わってきた。どうやら、感覚神経に問題はないらしい。 理論的に考えても、ここは天国という場所ではないだろう。罪を犯した自分がそんなところへ行けるはずがない、ましてや、この"自分"にだ。 布ずれの音を立たせながら何とか立ち上がる。 肋骨が、足が、背が痛む。一歩踏み出す毎に内臓がせり上がるようで、思わずその場に膝をついてしまいたいような気になってしまう位だ。外から入ってきた光で、自分の前に長い影ができる。その影を追うように、一歩一歩歩みを進めて、テラスとは別の、室内へと続く扉へと。 何で自分がそこに行こうとしているのかなんてわからない。 本来なら武器の変わりになるものでも見付けてから行くのが正しいし、もっと正しい選択は誰にも見つからないうちにこの部屋から逃げ出すことだ。幸い、テラスへ出る窓はあいたままだ。 それでもおかしな行動をしてしまうのは、もう自分の肩にのっていた重荷がないからだろうか。 それとも、もう一度あの戦場に帰るためにじぶんはこうして進んでいるんだろうか。 ひんやりとした金属の取っ手を握り込む。 下に回すタイプのそれを本当は慎重に開けるつもりだったのに、思ったよりも少ない力で取っ手が回ってしまい、身体を支えることも出来ずに、扉に引っ張り倒されるように派手な音を立てて床に転げた。 思いっきり打った肩が死ぬほど痛い。コルセットをしていても身体を強くうった衝撃は骨を揺るがし、耐えられない痛みにぎゅっと目を閉じて床に爪を立てた。ぐわんぐわんと頭が揺れて、自分の身体を流れる血の音だけがうるさいほどに響くだけで何も聞こえない。とにかく痛くて、多分口からは呻き声も漏れていたんじゃないだろうか。 ばたばたと慌てたような足音が振動となって近寄ってくる。 助け起こそうとしているのか、ぐっと肩に込められた力に息を詰めながら、されるがままに身体を起こし 痛みで霞む目を、開けた。 「な…」 目の前で、床に膝をついている人物を見て、思わず固まった。 これは、誰だ? 「ハハハ!見事に固まってやがる!…ハレルヤ、笑いすぎだよ」 だって彼はもう 「おい刹那、来てみろ!こんなティエリアの顔なんて早々みられないぞ!」 そう言って、部屋の奥に向かって手招きをしているのは 「ロック…オ……ン?」 「ん?」 笑みを讃えたまま、グリーンの瞳が自分を捕らえる。優しげに細められたその目は、片方が眼帯に覆われており。記憶よりも少し短い柔らかな茶の髪を揺らしているのは、本当に、紛れもなく。 「な、なんで貴方が…」 「んー、俺も起きた時そう思ったけどな。あんとき爆風ですっとばされて、宇宙を彷徨ってたんだよ」 困ったように首筋を掻きながら口早に応える彼。その後ろには私の様子を楽しげに眺めている、顔に傷があり前髪を上げて雰囲気の変わったアレルヤ・ハプティズムが。そして遅れて部屋の奥から歩いてきた、刹那・F・セイエイが。二人とも一様に至る所にガーゼだ何だと張り付けた状態だ。 いまいち状況が理解できなくて、ロックオンの姿を信じられないモノをみるかのように見詰めてしまう。 「で、お前らは、揃いも揃って宇宙をふわふわしてたところを、俺を回収したヤツが一緒に回収したってところかな。」 お前ら結構長いこと寝てたから心配したんだけど、起きてからの方が面倒だったよ。などと言って後ろの二人を振り返る。 その姿を見る限り、腕がかけた、足がかけたなどということはないようだ。ちゃんと動いている、ちゃんと話している、ちゃんと見えているし、聞こえている。 彼が、生きている? 「おい、コイツ大丈夫なのか?なんかぼーっとしちまったぞ」 「状況把握でもしてるんだろ。ま、お前らの時より手がかからなくて嬉しいね」 「な、俺は迷惑などかけていないぞ!」 失礼なことを言うな!とばかりに声をあげてロックオンに詰め寄る刹那を、ロックオンはにやにやとしながら片眉を上げて見上げ 「そーだったか?お前起きたらいきなり料理作ってる俺のこと襲ってきた癖に。しかも俺ってわかったら抱きついて離してくれなかった気がするんだけど?」 「ち、違う!あれは身体が無事かどうか調べていただけだ…」 「刹那がそんなことをしていたなんて以外ですね…通りで僕に教えてくれないわけだ。」 どうやら目覚めた順番は 刹那、アレルヤ、自分のようだ。 秘密を知り楽しげに刹那を見下ろしたアレルヤに、今度は刹那がくってかかる 「そういうお前らは、目が覚めたら病室で大暴れした後ロックオンに気が付いたら泣いていただろうっ」 「ばっ、お前、あれはアレルヤが泣いたんであって俺じゃないからな!…な、ハレルヤだって泣いていたじゃないか!」 「……お前らなぁ…」 言い合いを始めた3人?を呆れたように見上げる、ロックオン。 あの時確かに彼はいなくなった。そして自分は、自分という存在がなくなることを受け入れた。 あれだけ身体を痛めつけられても、死を受け入れても、この身体は、いまこうしてここにある。 温かな西日が差し込む、部屋の中で繰り広げられるその風景に、思わず 「…わっ、何でお前らみんなして抱きつくんだよ…」 強く強く、ロックオンを抱きしめた。 「……生きていてくれて……ありがとう、ございます」 おまけ 「さて、ロックオン少しそこに正座して下さい」 「え…??」 自分が男に抱きついた等という少し恥ずかしい行動はさっさと忘れる事にして、ぱっと両手を離して明瞭な声で伝える。ロックオンは「あっちにソファあるのに?」と困惑した表情でこちらを見ている。 ちらっとロックオンの両脇に立つ刹那とアレルヤ(とハレルヤ)に視線を送ると、二人はそれだけでわかったのかこくりと頷いた。 「一体何を始めるつもりなんだよ…」 渋々といった様子で正座をするロックオン。 いつの間にか刹那とアレルヤ、ハレルヤはロックオンの両脇から移動し、ティエリアの横に腰を下ろしている。 「貴方が生きていた事は…大変嬉しいことです、が。」 「が、って何だよ…」 「貴方のした行動について、いささか言っておかなければならない事があるんですよ」 にっこりと笑みを浮かべ、両脇を見、そしてロックオンへと視線を移す。 「うん、ロックオンはイマイチよく解ってないみたいだから、ちゃんと教えて上げないと…ねぇ?」 「人に口五月蠅く"命を大事にしろ"などと言っておきながら…」 「え、何でそっちを蒸し返すんだよっ…大体あれは仕方が…」 「仕方がなかったとか、言うつもりはないでしょうね?」 一番自分達に影響力がある癖に、一番最初に自分の身体を投げ打って、尚かつ自分の命を大切にしなかった貴方を、誰も許してないんですよ? 彼には、彼なりの事情があることを知っているけれど、そんなもので済まされる程、私たちの悲しみは浅くないんです。何事も、一度目を許してしまったらずるずるとなし崩しに流れてしまいますからね…最初で身をもって知ってもらって、あんなことはこれっきりにして頂かなければ。 「まぁあれです、話はあとでじっっっっっっっくりするとして… 「「「まずは一発殴ら(せろ)(せてください)(れなさい)」」」 貴方は、身をもって知った方が良い。 どれだけ、愛されているのかを。 |